国選弁護人を利用したい。 | 元裁判官による刑事弁護、名古屋の弁護士・高橋裕

名古屋の元裁判官による刑事弁護、成田龍一法律事務所 高橋裕弁護士
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国選弁護人を利用したい。

※弁護士事務所に勤務して間もない新人職員(少しの知識と経験あり)からの質問に答えるという形で説明しています。

新人職員

刑事事件の弁護人は,私選弁護人の他に,国選弁護人がいますね。

弁護士
高橋裕

はい。そのとおりです。

新人職員

自分で弁護士費用を負担したくないので,国選弁護人を希望しますという相談者がいらっしゃいます。国選弁護人について,説明してください。

弁護士
高橋裕

わかりました。国選弁護人について,皆さん,聞いたことがあると思いますが,正しく理解されている人は必ずしも多くないようです。

新人職員

正しく理解していないというのは,どのような点ですか?

弁護士
高橋裕

正しく理解されていない点は幾つかありますが,主な点は次のとおりです。
第1点目は,誰でも希望すれば国選弁護人を選任できると思っている点。
第2点目は,逮捕されたら直ぐに国選弁護人を選任できると思っている点。
第3点目は,国選弁護人の費用は支払わなくてもよいと思っている点。
いずれも誤解です。

新人職員

えっ,違うんですか。

弁護士
高橋裕

はい,3点とも違います。順番に説明して行きます。
第1点目。誰でも希望すれば国選弁護人を選任(正確に言うと「選任請求」)できると思っている点です。

新人職員

誰でも選任(選任請求)できるのではないですか?

弁護士
高橋裕

国選弁護人は,原則として,私選弁護人を依頼するだけのお金(資力)がない人のための制度です。多額の預貯金があるけれど,自分の預貯金を使いたくないので国選弁護人を利用したいということは認められていません。

新人職員

お金(資力)というのは,具体的に幾らですか?

弁護士
高橋裕

現在は,現金,預貯金等の合計金額が50万円と決められています。

新人職員

それ以上の資力がある人は,原則として,私選弁護人を依頼するということですね。

弁護士
高橋裕

原則として,そういうことになります。例外については,機会があれば別の項目で説明しましょう。

新人職員

第2点目(逮捕されたら直ぐに国選弁護人を選任できると思っている点)について,説明してください。

弁護士
高橋裕

はい。現在の制度では,逮捕直後は,国選弁護人は選任(選任請求)できません。国選弁護人は,勾留(正確に言うと「勾留請求」)の後です。

新人職員

そうすると,逮捕されて勾留(勾留請求)されるまでの間は,国選弁護人は付かないのですね。

弁護士
高橋裕

そのとおりです。

新人職員

逮捕されて勾留(勾留請求)されるまでの間に,一刻も早く示談交渉をしたいので弁護人を付けたいと思ったら,どうすればいいのですか?

弁護士
高橋裕

その場合は,私選弁護人を依頼することになります。

新人職員

私選弁護人とは別に,当番弁護士というのがありますね。どういう役割なのですか?

弁護士
高橋裕

当番弁護士は,取りあえず,逮捕されている人のところに弁護士が一度面会に来てくれる制度です。

新人職員

何をしに来るのですか?

弁護士
高橋裕

よくある実例は,①初めて逮捕された人が,今後どうなるか不安なので手続を説明してほしい場合,②弁護人を付けるか悩んでいる場合,③弁護人を付けたいが国選弁護人と私選弁護人のどちらを付けるか悩んでいる場合,④お金(資力)はあるので示談交渉などを私選弁護人に依頼したいが知り合いの弁護士がいない場合などに呼ばれます。

新人職員

呼ばれた当番弁護士はどうするのですか?

弁護士
高橋裕

逮捕されている人と面会して,今後の刑事手続について説明したり,逮捕されている人の質問に答えたりします。

新人職員

被害者との示談交渉などはして貰えるのですか?

弁護士
高橋裕

当番弁護士は,示談交渉や検察官との折衝などの弁護活動はしません。当番弁護士は,その事件の担当者となる弁護人ではありません。いわば,弁護人の一歩手前の立場です。

新人職員

当番弁護士が,その後,国選弁護人になったり,私選弁護人になったりすることはあるのですか?

弁護士
高橋裕

それは,あります。その場で私選弁護人を依頼されて,直ぐに,示談交渉などの弁護活動を開始することもあります。
今日は,国選弁護人の説明ですので,当番弁護士の説明はこのくらいにしましょう。当番弁護士については,愛知県弁護士会のホームページでも説明していますので,そちらもご覧ください。

新人職員

失礼しました。いろいろと質問していたら,今日のテーマ(国選弁護人)と少し離れてしまいました。

弁護士
高橋裕

繋がっている話なので無関係ではありませんが。

新人職員

それでは,最後の第3点目(国選弁護人の費用は支払わなくてもよいと思っている点)について,説明してください。

弁護士
高橋裕

国選弁護人の費用は支払わなくてもよい場合もありますが,逆に,判決言渡の際に,裁判所から国選弁護人の費用(10万円くらいのことが多いです。)を負担するよう言われることがあります。

新人職員

どのような場合に,負担するように言われるのですか?

弁護士
高橋裕

働いていて一定の収入があり,判決が執行猶予の場合に,負担するように言われることが多いです。弁護士高橋も,裁判官時代にそのような目安で被告人に弁護士費用(訴訟費用)を負担させていました。

新人職員

国選弁護人を希望するのであれば,正しい理解のもとで希望することが大切ですね。

弁護士
高橋裕

そのとおりです。

新人職員

そのほかに,正しく理解しておいた方がよい点はありますか?

弁護士
高橋裕

はい。これはご存知の方も多いですが,国選弁護人は,原則,弁護士を選ぶことはできません。文字通り,「国」つまり「裁判所あるいは裁判官」が選任します。

新人職員

自分で弁護士を選びたい場合は,原則,私選弁護人ですね。

弁護士
高橋裕

そういうことになります。

新人職員

今日は,国選弁護人の説明,ありがとうございました。

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