無免許,飲酒運転,事故,ひき逃げなど,交通事件 | 元裁判官による刑事弁護、名古屋の弁護士・高橋裕

名古屋の元裁判官による刑事弁護、成田龍一法律事務所 高橋裕弁護士
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無免許,飲酒運転,事故,ひき逃げなど,交通事件

※弁護士事務所に勤務して間もない新人職員(少しの知識と経験あり)からの質問に答えるという形で説明しています。

新人職員

今日は,「交通事件」についてお話をお願いします。

弁護士
高橋裕

はい。交通事件は,「交通違反(道路交通法違反など)」「交通事故(自動車運転過失致死傷など)」に分けられます。もちろん,両方重なっている場合(無免許運転で交通事故,交通事故を起こしてひき逃げなど)もあります。

新人職員

順番にお願いします。

弁護士
高橋裕

先ず,交通違反(道路交通法違反など)から説明しましょう。よくあるのは無免許運転,飲酒運転(酒気帯び運転,酒酔い運転)ですね。

新人職員

最近は,飲酒運転には厳しい社会情勢ですね。

弁護士
高橋裕

そうです。私が30年以上前に裁判官になったころと比べると,法律で定めている刑罰(法定刑)も相当重くなりましたが,それ以上に,現実の裁判の量刑傾向もとても厳しくなってきています。

新人職員

死傷事故が伴わない無免許運転,酒気帯び運転のみで,いきなり実刑ということもありますか?

弁護士
高橋裕

初犯でいきなり刑務所行きは,よほど悪い事情が重ならない限り,まずないと思われます。

新人職員

最初は略式命令で罰金刑,その後,執行猶予付き懲役刑,懲役刑の実刑と量刑が次第に重くなっていくと聞いたことがあります。

弁護士
高橋裕

そうですね。検察官も,裁判官も,できる限り,社会内で更生させる機会を与えようと考えています。しかし,その温情が裏目に出て,交通違反をしても刑務所に入ることはない,という安易かつ誤った考えで交通違反を繰り返す人がなくなりません。

新人職員

繰り返していると,結局,最後は刑務所行きになりますね。

弁護士
高橋裕

そのとおりです。そのような人たちは,刑務所行きになることが避けられない状況になって初めて後悔するのですが,手遅れというしかありません。

新人職員

担当弁護士とはしては,何もできないのですか?

弁護士
高橋裕

弁護士として何もしない訳ではありません。もちろん,できる限りの弁護活動をします。しかし,交通違反事件については,量刑傾向がほぼ固まっていますので,通常であれば刑務所行きになる事件について,執行猶予判決で刑務所行きを免れるというのは,絶対に不可能とまでは言えませんが,至難の業です。

新人職員

高橋弁護士は,交通違反事件を担当するに当たって心掛けていることはありますか?

弁護士
高橋裕

今の説明から明らかなとおり,刑務所行きになることが避けられない状況になってからでは,残念ながら手遅れということになります。そのような事件を,裁判官のときや,弁護士になってからも,数多く担当してきました。その経験を踏まえて,罰金刑で終わった事件を担当したとき,執行猶予判決を貰った事件を担当したときにこそ,被疑者,被告人に対して強く言います。「このようなことを繰り返していると,最後は間違いなく刑務所行きです。そうなってから後悔する人を本当に数多く見てきました。あなたには,そうなってほしくない。手遅れになる前に心から考え方を改めてください。」と。

新人職員

できる限り,刑務所行きにならないように働きかけているのですね。

弁護士
高橋裕

そうです。どこまで心に届いているか自信はありませんが・・・。
なお,飲酒運転で実刑判決が予想される場合は,一部執行猶予判決を求めることもあります。一部執行猶予については別項目で説明していますので,そちらをご覧ください。

新人職員

次に,交通事故(自動車運転過失致死傷など)について,説明をお願いします。

弁護士
高橋裕

交通事故については,その結果によって量刑が大きく異なってきます。もちろん,過失の態様も相当程度,影響します。

新人職員

交通事故は被害者がいますので,示談交渉をすることになりますね。

弁護士
高橋裕

そうです。ただし,現状では,ほとんどの自動車に任意保険が掛けてあるので,示談交渉は保険会社担当者が行う例が多いです。

新人職員

保険金支払以外に何かできることはありますか?

弁護士
高橋裕

保険金支払以外にも,反省の態度を示す方法はあります。被害者の負傷状況を気遣う具体的な行動をしたり,死亡事故の場合は遺族の意向を尊重して行動することが求められます。保険金とは別に相当額のお見舞い金を支払う実例もあります。

新人職員

交通事故事件の場合,保険会社担当者や弁護士が行動することが殆どですね。

弁護士
高橋裕

被害者やご遺族の立場から見ると,その状況が大変好ましくないように見えることがあります。保険会社担当者や弁護士に任せっきりで加害者は何もしない,誠意がない,と厳しい言葉を投げ掛けられることもあります。

新人職員

現実的には,どうしたらよいのでしょうか?

弁護士
高橋裕

担当弁護士と十分に打ち合わせをして,保険会社担当者に任せる部分,担当弁護士に依頼する部分,自ら直接行なう部分を明確にして行動することが重要です。全部お任せというのは良くありません。

新人職員

示談交渉中なので被害者とはしばらく連絡を取らないようにしてください,と保険会社担当者から言われた,という話を聞いたことがあります。

弁護士
高橋裕

そのような場合,必ず,担当弁護士に相談しましょう。保険会社担当者がそのような話をしたかどうか確認できませんが,鵜呑みにするのは危ないです。先ほど説明したように,保険会社に任せっきりで誠意がない,と誤解される危険性があります。

新人職員

わかりました。何事も担当弁護士に相談が大事ですね。

弁護士
高橋裕

そのとおりです。そのための弁護士です。
交通事件では,交通違反と交通事故が重なっている事件や,刑罰がとても重い危険運転致死傷という罪があります。今日は,時間が足りなくなりましたので,いずれも別の機会に説明したいと思います。

新人職員

わかりました。
今日は,「交通事件」についてお話をしていただきました。ありがとうございました。

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