

※弁護士事務所に勤務して間もない
新人職員
(少しの知識と経験あり)からの質問に答えるという形で説明しています。
新人職員
高橋弁護士に刑事事件を依頼した場合,弁護士費用はどれくらい掛かるのですか?
弁護士
高橋裕
大事な質問ですね。刑事弁護活動を依頼される方は,自分あるいは親族が警察に逮捕されたりしている場合が多く,今後,一体どうなるのか?,最終的に刑務所に入ることになるのか?,など心配なことで頭が一杯ですが,当然のことながら,弁護士費用がどれくらい掛かるのか,とても気がかりです。
新人職員
そうですね。普通の人はもちろんですが,資産のある人でも,弁護士費用を負担するとしても,限度があります。
弁護士
高橋裕
まず,弁護士費用の種類から見ていきましょう。大きく分けて2種類。相談と委任(依頼)です。
新人職員
相談と委任は,どう違うのですか?
弁護士
高橋裕
「委任」は,弁護士に対し,正式に刑事弁護活動を依頼するものです。正式な刑事弁護活動というのは,被害者との示談交渉,警察署での面会,助言,相談,警察官や検察官に対する意見書提出などの働き掛け,親族との連絡,正式起訴された場合は,法廷(TVドラマで裁判官が黒い服を着ているあのシーンです)での弁護活動,その準備のための証拠検討,証人との打ち合わせなどを行います。
新人職員
委任をすると,いろいろな活動をして貰えるのですね。
弁護士
高橋裕
そのとおりです。委任契約書を作成して,弁護士としての具体的な活動内容を記載するようにしています。
新人職員
もう一つの「相談」は,弁護士にどのような活動をして貰えるのですか?
弁護士
高橋裕
「相談」は,本人や親族から,先ず,事件の内容を説明して貰った上で,本人の親族が知りたいと思っていること,疑問に感じていること,心配していることなどを聴き取り,それに対する回答を,弁護士が行います。また,事件の内容に即して,今後の取調べ対応など,弁護士の立場から助言をします。
相談は,弁護士事務所の相談室で30分~1時間ほどを予定します。予め相談日時を予約しますので,待たされることはありません。
新人職員
相談は時間が短いのですね。
弁護士
高橋裕
そうです。費用も,委任(依頼)よりははるかに低額です。もちろん,その時間の中で充実した助言ができるように心がけています。
新人職員
なかなか,費用の話にならないのですが・・・・・。前置きはそれくらいにして,早く,具体的な費用の額を知りたいのですが・・・。
弁護士
高橋裕
失礼しました。ただ,金額を明示する前に,弁護士がどのような活動をするのか知ってもらう必要があると思い,前置きが長くなりました。申し訳ありません。
新人職員
まぁ,それはそうですね。活動してもらう仕事の中身も分からずに金額だけ聞いても,弁護活動を頼むかどうか,決心できないですからね。で・・・,要するに,いくら掛かるんですか。
弁護士
高橋裕
恐縮ですが,もう1点前置きがあります。弁護活動が事件毎に異なるので,弁護士費用も事件毎に異なります。以下の説明は,目安,その金額の事件が多いという意味でご理解ください。また,別途消費税が掛かります。
新人職員
わかりました。早く金額を・・・。
弁護士
高橋裕
正式に委任する場合の弁護士費用です。
逮捕事実を認めている場合
目安として,以上のとおりです。
新人職員
委任(依頼)の場合,弁護士にいろいろな活動をしていただくので,やはり,多額の費用がかかることになりますね。
弁護士
高橋裕
はい。大変恐縮ですが,弁護士になると,裁判官や検察官とは異なり,公務員ではなく国から給料(報酬)が貰えないので,依頼者に費用をご負担いただき,職業として活動して行くことになります。
新人職員
35万円という目安の数字が多いですが,この数字はどこから出てくるのですか?
弁護士
高橋裕
(旧)日本弁護士連合会報酬等基準を参考にしています。
この(旧)基準で,「刑事事件のうち起訴前及び起訴後の事案簡明な刑事事件」の「着手金」「報酬金」に,それぞれ「20万円から50万円の範囲内の額」とされているので,この数字の中間値35万円を着手金,報酬金の目安とさせて戴いています。
多くの弁護士が,この(旧)基準に依拠していると聞いています。
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なお,弁護士高橋は,遠距離出張の日当や,
民事事件,家事事件など,いろいろな事件の弁護士費用についても,
この(旧)基準(幅がある場合は中間値)を目安にしています
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新人職員
刑事事件の弁護士費用の話に戻って,いくつか質問があります。
目安として,35×4(1~4)=140万円ということですか?
弁護士
高橋裕
いいえ。2と3は両立しないので,両方が同時には発生することはありません。
新人職員
そうすると,目安として,35×3=105万円ということですか?
弁護士
高橋裕
目安として、執行猶予判決まで行くと105万円です。(1+3+4)
正式起訴されずに済んだ場合は,3と4が無くなるので,目安として70万円(1+2)です。
新人職員
わかりました。
それでは,逮捕事実を争っている場合の弁護費用はいくら掛かりますか?
弁護士
高橋裕
争わない事件の35が50に置き換えられます。逮捕事実を争っている場合,弁護活動が質的にも量的にも難しいものになるので,どうしても費用が上がります。この数字も,先ほどの(旧)基準に依拠した数字です。実際には,争いの内容によって異なって来ますので,50を超えることもあります。その都度,ご説明いたします。ここでは,目安として,ご理解ください。
新人職員
目安として,50×3=150万円ですか?
弁護士
高橋裕
正式起訴された後、一定の良い成果が生じて報酬金をいただく場合は、そのとおりです。正式起訴されなかった場合は、目安として、50×2=100万円となります。
新人職員
「正式起訴」の他に,起訴があるのですか?
弁護士
高橋裕
略式起訴というものがあります。これは,検察官が罰金刑を求めて簡易な手続で起訴する場合です。原則として,裁判所の審理は書面審理のみです。法廷で審理されることはありません。起訴された日に釈放されます。通常の起訴も,略式起訴も,どちらも起訴です。
単に「起訴」と言うと略式起訴ではない方の起訴を意味するのが一般的です。弁護士高橋は,2種類の起訴を明確に区別するため,略式起訴ではない方の起訴のことを,正式起訴と言って説明しています。
新人職員
保釈手続や示談交渉で,追加の着手金が掛かると聞いたことがあるのですが・・・。
弁護士
高橋裕
弁護士によっては,追加の着手金が掛かる場合もあるようです。弁護士高橋は,逮捕事実を認めている事件の場合は,保釈や示談が難しい状況にあるときは別ですが,基本的には,保釈手続や示談交渉の追加着手金は戴きません。他方,逮捕事実に争いがある事件の場合は,保釈等が難しい状況になりますので,依頼者にご了承いただいた上で追加着手金を頂戴することがあります。
新人職員
わかりました。もう1点,警察署に面会に行って貰う度に,費用が別途かかると聞いたことがあるのですが・・・。
弁護士
高橋裕
面会(接見)費用のことですね。保釈手続や示談交渉の費用と同様です。弁護士によっては,面会の度に追加費用を戴く場合もあるようですが,弁護士高橋は,毎日面会に行くなどの状況にならない限り,面会の費用は別途戴いておりません。面会は,原則として,最初に戴く着手金の範囲内で活動する仕事であると考えています。
新人職員
わかりました。安心しました。
その他に,弁護費用のことで,何か知っておいた方がよいことはありますか?
弁護士
高橋裕
事件毎に(逮捕される毎に),別途費用がかかります。同種事件でも別途逮捕された事件は別費用となります。高等裁判所での弁護活動も別費用になります。その他,細かな取り決めがあるので,相談あるいは,委任の際に詳しくご説明します。弁護活動の内容と費用のバランスをご納得いただいた上で委任(依頼)をお受けしております。
新人職員
最後に,法律相談の費用を教えてください。
弁護士
高橋裕
1時間の相談で1万円(別途消費税)です。
新人職員
無料相談は実施していないのですか?
弁護士
高橋裕
相談の費用はしっかりと戴いて充実した相談を実施させていただいています。
ただし,
初回ご相談申し込みの方で,電話でご相談内容の要旨を簡潔に伺った際に,事務所に来てもらった上で時間とお金を費やして相談されるほどの状況ではないと思われる場合は,そのお電話で基本的な法律相談や助言を無料でさせていただくことはあります。
新人職員
今日は,刑事弁護費用の説明をしていただきました。ありがとうございました。